サッカークラブとFFP

FFP

UEFA(欧州サッカー連盟)では、FFP(ファイナンシャル・フェアプレー)と呼ばれるルールが導入されています。近年、欧州のサッカー界では選手移籍に際してかかる費用の高騰や、クラブ間の資金力の差の拡大がすすんでいます。このため、資金力に乏しいクラブの中には、有力なチームとの戦力差を埋めるために、クラブ自体のお金だけでなく、オーナーのポケットマネーや銀行からの融資によって資金をあつめて有力選手を獲得するケースがあります。このような無茶な選手の獲得を行うことは、チームの財政状況の悪化を招きます。この問題を解決する目的で2011年6月に導入が決まったのがFFPで、2013~2014年のシーズンから施行されています。

FFPの適用下では、UEFAが審査で認めた場合を除き、赤字経営が禁止となり、身の丈以上に資金を投じることはできなくなりました。ルールに違反したクラブに対しては制裁金の支払い、年俸増加額や移籍金支払総額の制限、UEFA主催大会の参加資格剥奪や登録選手数の制限などの処分が出ます。ただし、審査の対象となる経費は移籍金や人件費で、選手育成や施設整備への投資は対象外となっています。また、審査は直近3シーズンの合計収支を用いて行うため、単年度で赤字であっても3年度トータルで黒字になっていれば違反とはなりません。

このルールが適用されてから、ヨーロッパの各サッカーチームの財政状況は改善の兆しをみせています。しかし、大胆な投資をしにくくなった分、強いチームとの差は埋めにくくなるデメリットもあり、これを始めとする諸問題への対応が課題となっています。